「乾いた花」加賀まりこが出演していたので借りましたが、素晴らしい作品でした。本当にこの映画に出会えて良かったです。

  




 内容をよく知らないで借りたのですが、ヤグザと賭博が主の映画でした。指を詰めるなど、物騒な言葉が出てきたりしました。





花札がきっかけで出会うヤグザの池部辺演じる村木と花札が強い紅一点の冴子演じる加賀まりこ。 



     冴子は本当に度胸がありますよね。ヤグザばっかりで男しかいない違法なギャンブルを一人でよく知る者も居ずに堂々と賭けて勝ったり、負けたり。すごいな、と思います。 


    冴子は本当に王者の風格がありました。でも、加賀まりこだからこそ演じきれたんだなとつくづく思います。加賀まりこ自身がお嬢様だし、やはり小さい時から、上に立っていたからでしょう。


私もそうですけど、親が偉いと子どもも自分が偉いと錯覚しますからね(笑笑) 

 冴子はスポーツカーを乗り回したり、高級ホテルで友人などと一緒にいたりと、裕福な生活を送っています。でも冴子は花札などのギャンブルしか快感を味わえないんですね。


   普通の人みたいに美味しい食事をとって幸せと感じたり、身近なちょっとした幸せを感じれない可哀想な人です。








 ギャンブル依存の人というのは、脳内物質のドーパミンが生まれつき足りないらしいですね 。大きな快感しか感じ取れない。  


   しかも、一度大きな快感=花札などのギャンブルを味わうと、麻薬のように脳が覚えてしまって、また、その大きな快感を感じたいと脳が感じるから、やめられなくなってしまう。大変ですね。理性では分かっていても、やめられない。


まあ、冴子や村木はギャンブルで全財産をつぎ込んだりはしてませんが違法ですよね。 


   途中、警察が取り締まりにきます。セックスしてるように見せかけ、難を逃れます。








皆さまも海外に行かれるときはギャンブルは程々にした方がよろしいと思います。カジノがありますから。日本も競馬やパチンコなどありますけど。でも、最近、ニュースで日本もカジノを解禁するらしいですね。日本経済が良くなるといいなと思います。

 

冴子と村木はとても似ています。似ているからこそ惹きつけられるように村木は冴子に接近して行きます。




村木は人を刺して出所してきたばかりで、また、組の仇を討ちに行かなくてはならなくなったりします。




 その前に、村木を刺そうとした青年が指を詰めて、村木に指を差し出して、それから青年と仲良くなったり、面白いです。




映画は、べらんめえ調が多く、聞き取りにくい時もありました。





名シーンの村木が人を殺すシーンはとても感動しました。村木の表情や殺し方も加賀まりこの殺す場面を見ているときの表情もすごく良かったです。BGMとも相まって神聖な感じがしました。





     私、これを見たあと、BGMが好きになって調べてみたら、Henry Purcell のDido & Aenesという歌劇の曲なんですね。クラシックはよく知らないのですが、これをきっかけにもっと聴いてみたいと思いました。私が好きな暗い曲調です。





最後、村木、刑務所の中で、冴子が殺された事を知ります。絶望する村木。そこで映画は終わります。





私としては、最後の刑務所のシーンは要らないなと思いました。村木が殺したシーンで終わった方が映画としていいと思うのですが、皆さまはどう思われますか?






  隠れた名作なのでぜひ見てください。加賀まりこも美しいです。初めて知った池部辺も極まった演技を魅せてくれます。